熱中症、こんな人は特に注意!熱中症、こんな人は特に注意!

家族やペットを車に乗せる人

予防・対策
家族やペットを車に乗せる人

短時間であっても、子どもやペットを車内に残して車から離れないようにしましょう。体が小さく熱の影響を受けやすい子どもや、体温調節機能が低下している高齢者も特に注意が必要です。
ここでは、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)の実験結果を元に、車内環境と車内置き去り防止についてお伝えします。

約55%が子どもを車内に残して車から離れたことがある
(JAF:子どもの車内事故に関するアンケート調査より)

JAFの2022年~2023年の調査では、「時間の長さに関わらず、少しの時間であっても子どもを車内に残したまま車を離れたことがありますか?」に対し、同居に関わらず家族に12歳以下の子どものいる方246名のうち、54.9%が「ある」と回答しました。
また、最も多かった理由は「用事(買い物や兄弟の送迎など)を終えてすぐに(5分以内)車に戻ることができるため(54.8%)」、2番目に多かった理由は「子どもが寝てしまい、起こさないため(19.3%)」でした。

調査の詳細についてはJAFの子どもの車内事故に関するアンケート調査をご覧ください。

夏の車内温度、エアコン停止20分後には暑さ指数が「厳重警戒」ランクに
(JAF:JAFユーザーテスト「真夏の車内温度~車両の大きさによって差はあるのか~」より)

テスト環境と概要

実施日 2023年8月28日 12:00~15:00
場所 東京都認可さかえ幼稚園(東京都練馬区)
天候 曇り
気温 最高気温:34.0度/最低気温:25.3度(気象庁より)
テスト車両
送迎用バス(左)/
ミニバン(右)
テスト車両
テスト概要 エアコンを停止させてから3時間、屋外駐車する。車内(空間)やダッシュボード、座席の背もたれ、手すりの4か所にセンサーを設置し温度を測定した。また暑さ指数(WBGT)も計測し、車内温度の変化については赤外線サーモグラフィを用いて測定した。

車内温度と暑さ指数(WBGT)の変化

JAFユーザーテスト結果によると、屋外に駐車した送迎用バス、ミニバンともわずか1時間後には車内温度は、40℃を超え、さらに3時後には48℃まで上昇しました。さらに、暑さ指数(WBGT)は20分後には「厳重警戒(28以上31未満)」ランク、40分後には「危険(31以上)」ランクまで達し、最高41.4を記録しました。

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曇りの日でも、短時間でも、熱中症に注意が必要な環境を生む危険性があります。天候や気温に関わらず、子どもを絶対に車内に置いていかないようにしましょう。

ミニバンとの比較、マイクロバス車内の各部分の温度変化などの詳細はJAFの真夏の車内温度~車両の大きさによって差はあるのか~(JAFユーザーテスト)をご覧ください。

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どんな場面でも大切な家族を車内に残さない

どんな場面でも車内に子どもや高齢者、ペットを残さないようにしましょう。外気温が高い日はもちろん、外気温がそれほど高くない日でも、直射日光の当たる場所に駐車すると、車内温度が上昇する場合があります。数分で戻るから、直前までエアコンを入れていたから大丈夫などの油断は禁物です。

車内の熱より、保護者の温もり
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「りすきー」で覚える、車内置き去りNGシーン

  • 「り」
    理由を問わず、残さない
    子どもが寝ているから、ぐずるから、エアコンを直前までつけていたからなどは通用しない。
  • 「す」
    少しの時間でも、残さない
    買い物や保育園、病院等への送迎シーンなど短時間でも危険。
  • 「き」
    季節や天候を問わず、残さない
    曇りの日や直射日光が当たらない場所でも油断しない、また盛夏だけでなく春や秋も注意する。
車内置き去りを防止する
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▼車中置き去り防止の1アクション

①車を離れる際は、後部座席や助手席に人やペットがいないか確認する。
 後部座席やチャイルドシート付近に荷物を置いておくなど、必ず車内を確認できる環境を作る。
②家族とこまめに連絡を取る。子どもを保育園などに送った後に、必ず家族へ連絡する習慣をつける。

車種によっては、後部座席への荷物や子どもの置き忘れがないように、通知やブザーで知らせてくれるリヤシートリマインダーなどのドライバー支援装備もあります。(※1)車内での熱中症による事故の中には、子どもが乗っていることを忘れてしまっていた、という事例もあります。こうした機能も積極的に活用して、万が一を起こさないアクションを行ってください。

保護者が気をつけることはもちろん大事ですが、他人事と思わずに、周りの大人が安全に見守る意識を持ち社会的なセーフティネットを築くことも重要です。

※1 車種や年式によって、設定や操作方法が異なる場合があります。

送迎用バスの安全対策 送迎用バスの安全対策

2023年4月より、送迎用バスの置き去り防止を支援する、安全装置の取り付けが義務化されました。安全装置の種類は主に2種類あり、エンジン停止後にドライバーに車内確認を警報で促す「降車時確認式」、また車内に置き去りにされた子どもをセンサーによって感知すると、ブザー等で周囲に知らせる「自動検知式」などがあります。

専門家による解説

  • 三宅康史先生

    三宅康史 先生
    帝京大学医学部教授
    帝京大学医学部付属病院高度救命救急センター長
    日本救急医学会評議員・専門医・指導医
    熱中症に関する委員会委員

    JAFの調査では、子どものいる方のうち約半数以上が、子どもを車内に残したまま車を離れたことがあると回答しています。体が小さく暑さの影響を受けやすい子どもや、体温の調節機能が落ちて暑さを自覚しにくくなる高齢者は、通常時でも熱中症に特に注意が必要なため、暑い環境に放置することは絶対にやめましょう。また、熱中症の症状は保育園や学校についた後、帰宅後など、時間が経って発生する場合もあります。「一時的に離れるだけ」「すぐ戻るから大丈夫」などの油断や思い込みは大変危険です。運転者や車に乗せる側の保護者・指導者は責任をもって車に置き去りにしない、またヒューマンエラーを防ぐために行動や設備を見直しましょう。また車に乗る人だけではなく、社会的な見守りという点では、例えば買い物や病院などで子供を連れていても、周囲が優しい目で見守るということも必要かつ重要です。

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【監修】
帝京大学医学部教授
帝京大学医学部付属病院高度救命救急センター長
日本救急医学会評議員・専門医・指導医
熱中症に関する委員会委員 三宅康史 先生