熱中症について学ぼう:熱中症にかかった翌日熱中症について学ぼう:熱中症にかかった翌日

熱中症にかかった翌日

予防・対策

もしも熱中症にかかってしまった場合、回復後は再度熱中症にならないための注意が必要です。翌日以降の過ごし方を確認しましょう。重篤な熱中症の場合、後遺症が残ってしまう可能性があります。

翌日の過ごし方

深部体温とは

めまいや顔のほてり、筋肉のけいれんや吐き気などの熱中症の症状が出た翌日に、ふらつきや食欲低下、吐き気などの症状が出ていなければ、普段通りに学校や職場へ行って問題ありません。健康な時の体調であり、いつもと同じように食事や水分補給を自分でできるか確認しましょう。症状が回復していれば、翌日は普段通り過ごせるということが熱中症の特性です。

しかし、翌日になってもだるさや食欲がないなどの症状が改善しない場合には、医療機関を受診しましょう。

熱中症回復後の注意点

熱中症にかかった時の環境や行動などを変える必要があります。環境や行動を変えない場合、再度熱中症にかかってしまう可能性があります。次のような予防・対策を見直すようにしましょう。

  • 1. 冷たい飲み物を飲む

    1. 水分・塩分補給

    のどがかわいていなくても、こまめに水分をとりましょう。飲料は温度が低いほう(5〜15℃)が体を冷やす効果が大きいと考えられています。
    長時間の労働やスポーツなどにより大量に汗をかいた場合は、体内の水分とともに塩分やミネラルも奪われてしまいますので水分だけではなく、塩分も一緒に補給しましょう。手早く塩分・糖分を一緒に補給できるスポーツドリンクなどもおすすめです。
    ただし、かかりつけ医から水分や塩分の制限をされている場合は、よく相談の上、その指示に従いましょう。

  • 2.休憩

    2.休憩

    暑さや日差しにさらされる環境で活動を予定している場合は、作業場所の近くにエアコンなどの冷房機器を備えた休憩場所や風通しのよい日陰などの涼しい場所を確保するようにしましょう。
    暑さや活動の内容に合わせてこまめに休憩をとり、無理をしないようにしましょう。
    作業時間の短縮ができるように余裕を持った計画を立てることも大切です。
    熱中症の危険が特に高い条件では、休憩時間を長めにとるよう心掛けましょう。

  • 3.室内環境

    3.室内環境

    室内にいる場合も、条件によっては熱中症になることがありますので、エアコンなどの冷房機器を使って涼しく保ちましょう。
    西日が入る部屋など、温度が高くなる場所があるので、注意が必要です。湿度が高い場合、汗が蒸発しにくくなるため、湿度は70%以下を目安に調整しましょう。
    帰宅時などの室内に熱気がこもっている場合には、窓を開けて部屋の換気を行うと同時に、エアコンを運転しましょう。

  • 4.食事

    4.食事

    体調も熱中症の発生に影響しているので、朝食抜きなどの状態で活動することは避けましょう。偏りのない食事をいつもの時間に摂取して、規則正しい生活を心掛けましょう。
    豚肉や豆腐、味噌といった大豆製品、モロヘイヤ、玄米などに多く含まれている「ビタミンB1」や、赤ピーマンなどカラフルな夏野菜に多く含まれている「ビタミンC」、梅干しや酢、レモン、グレープフルーツなどに含まれている「クエン酸」、などをバランスよく摂りましょう。
    夏が旬のキュウリやナスなど、水分を多く含む食材を、食事に取り入れることも大切です。

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  • 5.睡眠

    5.睡眠

    寝不足などの体調不良も熱中症の発生に影響します。通気性や吸水性の良い寝具を使ったり、エアコンや扇風機を適度に使って睡眠環境を整えましょう。
    また、夜間の熱中症にも注意が必要です。睡眠時にも水分を失うため、就寝前には水分を補給して、枕元に飲料を置いたりしておくと良いでしょう。

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熱中症の後遺症

重篤な熱中症では後遺症が残る可能性はあり、軽症でも稀に後遺症が残る場合があります。熱中症の後遺症としては、脳などの中枢神経障害を起こすことがあります。また、倦怠感やめまい、頭痛などが長期間(数週間から半年、数年など)継続される場合があります。
後遺症を残さないためには熱中症の予防・対策をして、もしも熱中症かなと思ったときは、すぐに応急処置を行うことが重要です。気温が高い、湿度が高い、日差しが強いなどの熱中症を引き起こす環境条件では特に注意し、周りの人の体調にもこまめに気にかけましょう。

みんなで予防!熱中症対策シート

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【監修】
帝京大学医学部教授
帝京大学医学部付属病院高度救命救急センター長
日本救急医学会評議員・専門医・指導医
熱中症に関する委員会委員 三宅康史 先生