熱ゼロ研究レポート:巣鴨地蔵通り商店街で聞いた熱中症意識調査結果
レポート No.13
巣鴨地蔵通り商店街で聞いた
熱中症意識調査結果
「熱中症ゼロへ」プロジェクトチーム
「熱中症ゼロへ」プロジェクトでは、巣鴨地蔵通り商店街で106名の60歳以上の方を対象に、「熱中症に関する意識調査」を行いました。
調査サマリー
- ■60代以上のおよそ9割が、10年前よりも熱中症に気をつけるようになっている
- ■熱中症に気をつけるのは、天気予報で「真夏日」などと知らせているときや晴天の中外出するとき 80代・90代は寝るときも上位に
- ■熱中症を防ぐためにやっていることは、水分補給がいずれの世代も8割以上
60代・70代はエアコン利用、80代・90代は窓を開けた風通しを行う人が多い - ■熱中症の予防・対策の気がかりはエアコンによる体の冷えや、電気代が上位
また水分をとりすぎることによるトイレの近さや、持ち物についての心配ごとも
■調査概要
- 調査方法:
- 街頭調査
- 調査場所:
- 巣鴨地蔵通り商店街(60歳以上)
- サンプル数:
- 106名
- 調査時期:
- 2023年5月
※調査結果は、端数処理のため合計しても必ずしも100%とはならない場合があります。
調査結果(1)
60代以上のおよそ9割が、10年前よりも熱中症に気をつけるようになっている
10年前よりも熱中症に気をつけるようになっているか聞いたところ、「とても気をつけるようになった」もしくは「まあまあ気をつけるようになった」と答えた人の割合は全体89.6%、60代では94.4%でした。いずれの年代も「以前よりも全く気をつけなくなった」の回答は0%でした。
調査結果(2)
熱中症に気をつけるのは、天気予報で「真夏日」などと知らせているときや晴天の中外出するとき 80代・90代は寝るときも上位に
どのような時に熱中症に気をつけているか聞いたところ、どの世代も「天気予報で「真夏日」「猛暑日」と知らせているとき」「晴天の中外出するとき」が上位となりました。特に60代は「スポーツなど運動をするとき」「アウトドアやレジャーに出かけるとき」「野外イベントやスポーツを観戦するとき」も高い割合でした。
80代・90代は「寝るとき」も上位に入っていました。
全体で、「屋外で作業するとき」は49.1%でしたが、「屋内で作業するとき」は16.0%でした。
調査結果(3)
熱中症を防ぐためにやっていることは、水分補給がいずれの世代も8割以上
60代・70代はエアコン利用、80代・90代は窓を開けて風通しを行う人が多い
熱中症の予防や対策として、実践していることを聞いたところ、どの世代も「こまめに水分を補給する」が1位となりました。60代・70代は「エアコンを利用する」が7割前後で2位に入っていますが、80代・90代はエアコンの利用よりも「窓を開けて室内の風通しをよくする」の割合が高い結果となりました。また、睡眠や食事に関する項目も上位となりました。
「本格的に暑くなる前から暑さに慣れるための発汗運動等を行う」と回答した方は、全体で18.9%でした。
調査結果(4)
熱中症の予防・対策の気がかりはエアコンによる体の冷えや、電気代が上位
また水分をとりすぎることによるトイレの近さや、持ち物についての心配ごとも
熱中症の予防や対策として気がかりなことを聞いたところ、どの世代も「エアコンを使用すると体が冷えること」が5割前後で1位となりました。「エアコンや扇風機を使うことで電気代がかかること」や「水分をとりすぎるとトイレが近くなること」も上位となりました。また、水分や日傘、帽子など持ち物で荷物が多くなることや、忘れ物につながりそうな心配もあがりました。
また70代以上では、「室内にいるときは窓を開ければ十分だと思うこと」と回答した人が2~3割という結果になりました。
専門家による解説
三宅康史先生
帝京大学医学部教授
帝京大学医学部付属病院高度救命救急センター長
日本救急医学会評議員・専門医・指導医
熱中症に関する委員会元委員長
帝京大学医学部教授
帝京大学医学部付属病院高度救命救急センター長
日本救急医学会評議員・専門医・指導医
熱中症に関する委員会元委員長
高齢者の方は、体内の水分が不足しがちなことや、暑さやのどの渇きを感じにくくなるため水分が足りない状況で暑い中に長くいてしまい、体に熱がこもって熱中症にかかる危険性が増えてしまいます。熱中症予防は暑くなる前からの対策も重要です。体を暑さに慣れさせるために、日常生活の中で、できれば数日に1回はぬるめのお風呂に入ったり、毎日30分程度のストレッチやウォーキングを行い、意識して少し汗をかくようにしましょう。暑さに強くなるだけでなく、リラックスして自律神経の働きがよくなり、健康増進にもつながります。実施時はご自身の体質・体調、その日の気温や室内環境に合わせて無理のない範囲で行ってください。汗をかいた後は水分補給を忘れずに。
室内にいるときは、温度と湿度を確認し、扇風機やエアコンを使用して、快適な環境を保つようにしましょう。睡眠時の熱中症にも注意し、寝る前、起床時も水分補給をしましょう。屋外では、日傘や帽子を使用し、なるべく日かげを選んで歩きましょう。
最近はやりの通気性のよい生地の衣服を選ぶことや、ネッククーラーなどの冷却グッズを利用することも効果的です。また、周囲の人がこまめに声をかけてあげてください。のどの渇きを感じていなくても、定期的に水分補給を促しましょう。
室内にいるときは、温度と湿度を確認し、扇風機やエアコンを使用して、快適な環境を保つようにしましょう。睡眠時の熱中症にも注意し、寝る前、起床時も水分補給をしましょう。屋外では、日傘や帽子を使用し、なるべく日かげを選んで歩きましょう。
最近はやりの通気性のよい生地の衣服を選ぶことや、ネッククーラーなどの冷却グッズを利用することも効果的です。また、周囲の人がこまめに声をかけてあげてください。のどの渇きを感じていなくても、定期的に水分補給を促しましょう。
「熱中症ゼロへ」プロジェクトは、今回の調査をふまえて、今後も高齢者の方への呼びかけを行ってまいります。