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- 2020.07.20熱中症ゼロへ
湿度が高い梅雨の時期、熱中症の注意点は?
梅雨の時期はくもりや雨の日が多く、蒸し暑い日が続きます。晴れて厳しい暑さとなる時期はもちろんですが、湿度が高い時期も熱中症に注意が必要です。

◎湿度が高いと汗が蒸発しにくくなる
人は運動などで体を動かすと、体内で熱が作られて体温が上昇しますが、体の表面から空気中へ熱を逃がしたり、汗をかくことで体温を調節しています。汗が蒸発する時の気化熱(液体が蒸発して気体に変わる時に周囲から吸収する熱)が体の熱を奪って、体温を下げる働きをします。
湿度が高いと洗濯物がなかなか乾かないですが、それと同じように、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなります。そのため、気化熱による熱の放散が少なくなって、体内で作られた熱を外に逃がすことができなくなるため、体の中に熱がこもりやすくなるのです。
◎気温だけでなく湿度も確認して、室温を涼しく保とう
熱中症の危険度を判断する数値にWBGT(暑さ指数)があります。これは、気温や湿度、輻射熱(地面や建物、体から出る熱)の要素を取り入れた指標です。気温が1、湿度が7、輻射熱が2の割合で算出され、湿度が重要な要素となっています。
例えば、同じ気温30℃で、湿度が50%と70%の場合でWBGT(暑さ指数)を比較してみましょう。すると、熱中症の危険度は、湿度が50%の場合は「警戒レベル」なのに対して、湿度が70%の場合は「厳重警戒レベル」となり(*)、湿度が高いと熱中症の危険度が高まることが分かります。
梅雨の時期は湿度の高い日が多くなりますので、気温だけでなく湿度も確認して、冷房や除湿などで室温を適切に調節することが大切です。キッチンや浴室など、湿度が高くなりやすい場所では、こまめに換気をしましょう。
(*出典:日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」(2013))
◎衣服を工夫して、暑さを調節しよう
体の中に熱がこもって体温が上昇すると、熱中症の危険度が高まります。温度・湿度が高い日は、体の中に熱がこもらないように、衣服を工夫して暑さを調節しましょう。衣服の中や体の表面に風を通すことで、暑さを和らげることができます。襟元や袖口、裾などから空気が抜けるように、適度にゆとりのある服装がオススメです。また、綿や麻など通気性の良い素材や、吸湿性や速乾性に優れた素材を選ぶと良いでしょう。
熱中症を予防するには、自分のいる環境を知ることが大切です。周りの環境とともに、体調にも十分注意して、熱中症対策を心がけてください。