熱中症について考えよう!BIG対談(第4回)熱中症について考えよう!BIG対談(第4回)

武井壮と語る!気象と運動とタンクトップ ~百獣の王は決して熱中症にならない?!~

  • 武井壮さま

    タレント、陸上競技・十種競技の元日本チャンピオン武井壮さま

  • 古市信道

    日本気象協会 執行役員
    事業本部長代行
    古市信道

(2014年 実施)

4回目は今やテレビで見ない日はない人気タレントであり「百獣の王」を目指す武井壮さんにお越しいただき、日本気象協会の古市よりユニークで論理的な武井壮さんの体調管理法について伺いました。

武井壮流、体調管理法とは?

武井壮流、体調管理法とは?古市:
武井さんと言えば百獣の王を目指して日々トレーニングに励んでいらっしゃるとのことですが、特に夏場のトレーニング中に熱中症に対して気を付けていることはありますでしょうか?

武井:
僕は熱中症にかかったことがないんです。学生時代から、自分の体調をコントロールすることを意識してきましたから。

古市:
素晴らしいですね!やっぱりそうやって身体に気を使っていらっしゃると熱中症にはなりにくいということですね。

武井壮流、体調管理法とは?武井:
僕は健康管理で一番大事なのは、本に書かれているデータよりも、自分自身のデータを取ることだと思っています。気温の高いところで過ごしてきた人と低いところで過ごしてきた人とでは多分体感温度が違いますし、ひとりひとり体調が変わる環境は違うと思うので、自分自身がどんな環境のときにどんな体調なのかということを知っておくことが大切だと思います。

古市:
素晴らしいですね!大変勉強になります。

熱中症になりやすい気象条件は?

古市:
武井さんの方が詳しいかもしれないですが(笑)
当然、気温が非常に大事ですね。温度が高いと自分の体に熱がこもりやすい。そして、もう一つ大事な要素は、湿度です。たとえば湿度が50%の時に気温30度だと「少し危ないな」という状況なんですね。これが湿度80%になると何度くらいで気温30度の時と同じレベルになると思いますか?

武井:
うーん、大体24、25度くらいで不快になってくるんじゃないですか?

古市:
ぴったりですね!
ですので、温度だけに注目していると非常に危ないんです。気温が25度でも湿度が高く体調も整っていない状態であれば熱中症になりやすい状況です。是非お気を付けいただきたい。

武井:
質問です!一般の方でも熱中症の危険信号に気づくコツのようなものってあるんですか?

熱中症になりやすい気象条件は?古市:
気温だけじゃなく、湿度をどこかでチェックしていただければと思うんですが、湿度に関してはデータがあまりないんですね。その際に、「熱中症計」を使うと良いと思います。

武井:
(熱中症計を見ながら)気温と湿度をこれが感知してくれて、ここに(ほぼ安全・注意・警戒・厳重警戒・危険)とあるんですけど、ランプが光って危ないよと教えてくれるメーターがある。こういうものを活用してくれたら嬉しいですね。

古市:
そうですね。体調で言いますと、少し炎天下を歩いていて立ちくらむとかですね。これは既に熱中症の軽度の症状がでています。そういった予兆を感じたらすぐ水分をとるとか、少し日陰や涼しいところで休むとかそういった早め早めの対応をしていかなくてはなりません。

熱中症予防で大切なこと

古市:
もう1点、塩分をとることが重要ですね。水をどんどんとりなさいと言われますが、水をとりすぎると塩分濃度が下がってしまうんです。そうすると、体が自分自身で塩分濃度を下げないように水を拒否してしまうんですね。

武井:
すると、汗がいっぱい出てくるんですか?

古市:
いえ、その逆で汗が出なくなるんです。塩分をとることで汗をかくことが大切です。

武井さんのタンクトップ、熱中症対策になるの?

武井さんのタンクトップ、熱中症対策になるの?古市:
衣服による熱中症予防方法ですが・・・武井壮さん、タンクトップですか・・・

武井:
Yes! スーパークールビズです!まあ1年中これなのでクールビズってわけでもないんですが(笑)風通しは抜群ですね!

古市:
熱中症は体温が上がることが問題なので、風通しという意味では良いですね。
ところが、欠点もあるんですね。それは、直射日光を受けすぎるということ。直射日光を受けると、やっぱり体の温度を上げてしまう。まあ武井壮さんは大丈夫ですかね?(笑)

武井:
僕は、だいたい自分のいる場所の環境がわかっているので事前に危険を予知できちゃうんですよね。そういう知識がみなさんにもあればいいんですけど、なかなかそれに気づきにくい。衣服をちょっと羽織ってあげるとか、熱くないけど風通しの良い薄いものを羽織ってあげるとか、それだけでも全然違いますよね。

古市:
素晴らしい。その通りですね。

武井:
あとは、頭部ですよね。

古市:
直射日光を遮るものがいいですね。だけどずっと被りっぱなしだとまた蒸れてしまう。熱をためてしまいますね。

武井:
昔ながらの麦わら帽子とかが本当はいいですね。

意外と多い!室内での発症率

意外と多い!室内での発症率古市:
実は熱中症の40%は室内で起きているんです。

武井:
40%もですか?!

古市:
ただ、60歳以上の方がほとんどです。環境の変化に対するセンサーが鈍ってしまうと熱中症になりやすいですので、温度と湿度が表示されるような時計を置いてみたり、のどが渇いていなくても水分をとったりしていただきたいですね。

武井:
とにかく予防が大切なんですね。

古市:
熱中症になってしまうと、命にかかわりますからね。

武井:
夏場は、熱帯夜も大きい要因になるような気がするんですが、どうなんですか?

古市:
実際に睡眠中に熱中症になることもあります。クーラーを使うとか、冷たいものを頭の後ろに置くなどして、体温を上げない工夫をしていただきたいですね。

武井さんはほとんど寝ないと聞いたけど…

武井:
あのね、よくね、「武井壮寝ていない」みたいなニュースが流れたりするんですけども、僕は寝てないわけじゃなくて、ちょこちょこ短時間だけ睡眠をとるんです。リボ払いみたいな(笑)ただ、一気に8時間ほど寝る事があんまりないんですよ。僕が寝るタイミングっていうのは、仕事で頭を使って脳がつかれたときと、トレーニングをした後、食事をして少し寝るっていう…そのぐらいですね。そのほうが1日中、脳がすっきりしている時間も長いですし、ちょこちょこ休んでいるので疲労も早く抜けます。僕にとってはこれが一番いい方法ですね。
学生時代は僕も9時間10時間寝てたんですよ。でもだんだん忙しくなったり、社会人になって仕事が増えたりする中で、もっと効率よくできないかと。そこで、自分に合う睡眠法を実験しながら作り上げてきました。

古市:
あくまで、武井さんはきちんとご自身の体調をしっかり管理されたり、実験の上そのような睡眠方法を取られているかと思いますので、この方法が必ずしも皆さんにも当てはまるというわけではなく、特にお子さんはたっぷり寝てください、ということですね。

武井:
そうですね、成長期のお子さまがたは夜しっかり寝てくれてもいいと思いますよ。まだ、お仕事もないでしょうし。

運動するなら少しずつ!

武井:
人間の身体っていうのは順応するものなので、普段していない活動を行うと意外と体調壊したりするんですね。よくあるのが、夏場は熱中症になりやすいから、今のうちにトレーニングしておこうなんて、急に5km走ったりすること。汗が出て、水をちょっと飲んで、汗がどばっと出て、塩分もなくなってしまって熱中症になっちゃうんですよね。そうじゃなくて、今日は100mでいいやと。そこから少しずつ増やしていくと、大きい負荷にも耐えられるような強い身体になると思うんです。何事をするにも、徐々に頑張ってほしいなと思いますね。

古市:
またまた勉強になりました。ありがとうございます。

熱中症の倒し方は?

古市:
武井さんは百獣の王を目指しているということで。ここでひとつ、熱中症の倒し方をみなさんにご教示いただければと思いますがいかがでしょうか。

武井:
え、気象協会の人ってこんな無茶振りするんですか(笑)
まあ、熱中症は人でも動物でもないので、倒すも何もないんですけど・・・・・「ひたすら日陰にいる」・・・それだけで倒せるんじゃないかなと(笑)

古市:
はい、どうもありがとうございます!

武井:
ははっ(笑)振ったくせに雑だな(笑)
みなさん、とにかくこれから暑くなる季節ですから、色々体調管理に気を付けて楽しい夏をお過ごしいただければ幸いでございます。
武井壮もなるべく直射日光あたらないように、袖のほうも長くしていきたいなと思っていますんで。みなさんと一緒にクールビズ並びに熱中症対策していきたいと思います!

武井さんにプレゼント

武井さんにプレゼント古市:
え?、今のお言葉をうけてですが、さっそく肌を隠していただくように、熱中症ゼロのTシャツをプレゼントしたいと思います。

武井:
ありがとうございます!よし、じゃ?さっそく着ますか!(Tシャツを着る)
いかがでしょうか、半袖。すげぇなんか半袖って恥ずかしいですね。タンクトップだとスイッチ入るんですけど、半袖だと素に戻るっていう、なんなんですかね、この感覚。

古市:
すごくさわやかで、お似合いですよ!

武井:
みなさん、今年は熱中症ゼロでいきましょう!