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2022.11.10熱中症ゼロへ

2022年の熱中症にまつわる3大ニュース~統計開始以来2位の暑さとなった 2022年の夏を振り返る~

「熱中症ゼロへ」プロジェクトは、2022年の「熱中症にまつわる3大ニュース」を発表します。

【2022年の熱中症にまつわる振り返り】
今年の夏の平均気温は平年(※1)より0.91℃高く、1898年の統計開始以降、2番目に高い値になりました。特に、6月下旬から7月上旬にかけては、太平洋高気圧の北への張り出しが強まり、東日本と西日本を中心に記録的な暑さになりました。群馬県伊勢崎市では、6月25日に最高気温40.2℃を観測し、6月としては全国で観測史上初の40℃超えとなりました。また、7月1日には、観測史上初めて、同日に全国の6地点で最高気温40℃以上を観測しました。東京都心では、6月25日から7月3日にかけて、過去最長となる9日連続の猛暑日(最高気温35℃以上)となり、年間の猛暑日日数も16日と過去最多を記録しました。熱中症予防を呼びかける「熱中症警戒アラート」の発表回数も6月末から多発し、合計で889回(5月1日~9月30日)発表されました。これは昨年の約1.5倍の回数の多さです。
5月から9月の全国の熱中症による救急搬送者数は71,029人(昨年より23,152人増)で、6月は昨年の約3.2倍となる15,969人(昨年より11,024人増)と、調査開始以来、過去最多になりました。猛烈な暑さとなった6月下旬から7月上旬には救急搬送者数が急増し、6月27日から7月3日の週の救急搬送数は14,629人と、前週の約3.2倍でした。急な暑さや梅雨の晴れ間は熱中症の危険度が高まります。来年の夏も、本格的に暑くなる前から「暑熱順化(※2)」などで体を暑さに慣らす習慣を心がけ、早めに熱中症への対策を行うことが大切です。

※1:平年とは1991~2020年の30年平均値
※2:暑熱順化とは、体が暑さに慣れることです。暑い日が続くと、体は次第に暑さに慣れて(暑熱順化)、暑さに強くなります。

【2022年5月~9月の気象傾向】
(日本気象協会所属 気象予報士/防災士:久保智子)

5月の気温は、北日本で平年より高く、東日本と西日本は平年並みでした。6月前半は、オホーツク海高気圧の影響などで冷たい空気が流れ込み、気温は全国的に平年を下回りましたが、後半は太平洋高気圧の北への張り出しが強まり、暖かい空気が流れ込みやすかったため、気温は東日本と西日本で平年よりかなり高くなりました。6月下旬は東日本と西日本で、7月上旬は北日本で記録的な暑さに見舞われました。7月中旬から下旬にかけては、気温は全国的に平年より高かったものの、上空の寒気や前線などの影響で曇りや雨の日が多かったため、九州から関東甲信地方の梅雨明け(※3)は7月下旬となりました。8月は前線や湿った空気の影響で、降水量は北日本と東日本で平年より多く、8月上旬は北海道や東北、北陸で大雨になりました。9月は各地で厳しい残暑となり、上旬は北陸で猛暑日の所もありました。

※3:梅雨入り・梅雨明けの時期は、春から夏にかけての天候経過を総合的に検討して確定します。2022年の梅雨明けは、速報値では、九州から東北南部は6月下旬、東北北部は7月下旬でしたが、確定値では、九州から関東甲信地方は7月下旬、北陸や東北南部と北部では「梅雨明けを特定できない」となりました。