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2022.08.01熱中症ゼロへオフィシャルパートナー

節電の夏も熱中症には要注意!効率的なエアコンの使い方と省エネ熱中症対策

「熱中症ゼロへ」プロジェクトから、電力需給の厳しくなる時間帯にて、電気の使用割合が大きいエアコンの効率的な使い方と、節電をしながらも家庭で行うことができる熱中症対策のポイントをお知らせします。この夏は政府から節電要請が7年ぶりに出されるなど、電力需給の厳しい状況が続いています。節電を意識しすぎて熱中症になってしまわないよう、対策の参考になさってください。

資源エネルギー庁によれば、電力需要は日中(13:00-17:00)に高まる傾向にあります。
また、電力需給は太陽光発電の出力が減少する時間帯(17:00-20:00頃)に厳しくなる傾向があることから政府は節電への協力を呼びかけています。
夏の19時ごろの東北・東京・中部・北陸 関西・中国・四国・九州の各家庭での電気の使用割合は、エアコンが38.3%と最も高く、照明14.9%、冷蔵庫12.0%と続きます。電気の使用割合が大きいエアコンを効率的に使いながら、「省エネ熱中症対策」を行うことが大切です。

1.エアコンの効率的な使い方
①室内が暑い場合は温かい空気を外に逃がしてからエアコンをON
室内が温まって外よりも暑く感じる場合は、まず窓を開けたり、換気扇を回したりすることで温まった空気を外へ逃してから、エアコンをつけましょう。空気を出す方向(窓や扉のある方向)に向かってサーキュレーターを置くと効率的に熱を逃がすことができます。

②室内温度の目安と風量・風向の設定
温度計や熱中症計で室内環境を確認しながら、室内温度28℃を目安としてエアコンの温度設定を行います。設定温度を下げすぎないことも節電には大切。夏場設定温度を1℃上げると約13%省エネになります。
風量は「自動」に設定すると、効率的に調整されます。暑く感じる場合は設定温度を下げるのではなく風量を増やしましょう。また、冷たい空気は重たく下にたまるため風向は天井に対して上向き(もしくは水平)に設定しましょう。

③サーキュレーターの効果的な置き方
エアコンとサーキュレーターを併用することで、設定温度を下げすぎなくても、室内をむらなく涼しくすることができます。サーキュレーターはエアコンの下に置き、上向き(エアコンと同じ風向)にしましょう。

▼真夏の室内環境変化に関する観測調査
https://www.netsuzero.jp/netsu-lab/lab12

2.節電しながらエアコンを使うためのポイント
①フィルターを掃除する
フィルターにほこりがたまっていたり、内部が汚れていたりすると冷房効率が悪くなり、余分な電力を使ってしまいます。1年間掃除をしていないフィルターでは約25%も電気代がアップ。目安としてフィルターの掃除は2週間に1回、内部の掃除も定期的に行うようにしましょう。

②窓からの直射日光を防ぐ
窓周辺から入ってくる熱を減らすことで、室内の温度上昇を抑え、省エネにつながります。窓の外のすだれやよしず、シェードなどを使って直射日光を遮り、室内ではカーテンを使用して断熱効果を上げましょう。

③室外機の周辺に物を置かない/直射日光を避ける
室外機は外気を吸い込み、室内の熱を吹き出すことで、熱交換を行っています。室外機の周辺を涼しく保つことで、排熱がスムーズにでき、冷房効率が上がります。室外機周辺に物は置かずに風通しを確保し、日よけ、すだれ・よしずを使って室外機に直射日光が当たらないようにしましょう。

④エアコンを使う部屋を決める
特に電力需給がひっ迫している時間帯は、エアコンを使用する部屋を決め、その部屋を効率的に涼しい環境にすることも節電に効果的です。

※エアコンに関する内容はパナソニック株式会社 エアーマイスター 福田 風子氏に監修いただきました。

3.節電しながら行う熱中症対策のポイント
①暑さに負けない体づくり

体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」ができていると、熱中症になりにくくなります。暑熱順化には無理のない範囲で汗をかくことが大切です。日常生活の中で運動や入浴をして、汗をかき、体を暑さに慣れさせましょう。
また、バランスの良い食事としっかりした睡眠も暑さに負けない体づくりには大切です。暑いからと食べやすいものだけを食べるのではなく、バランスの良い食事を心がけ、睡眠環境を整えることで、質の良い睡眠をとりましょう。寝ている間にも水分は失われるため、就寝前後には水分を補給するようにしましょう。
▼暑熱順化
https://www.netsuzero.jp/learning/le15
▼おすすめレシピ一覧
https://www.netsuzero.jp/recipelist

②冷却グッズの活用
ネッククーラーや冷却タオル、保冷材や冷えたタオルなどを使って体を冷やしましょう。首の両脇は皮膚の近くに太い血管が通っているので、効果的に冷やすことができます。うちわや扇子、ポータブル扇風機などと一緒に使うこともおすすめです。

③涼しい家づくり
ひさし、すだれやよしず、シェード、植栽、壁面緑化で外からの熱を遮ることも大切です。保水性の高い素材や水滴を活用したパネル・ルーバーで蒸発冷却し、エネルギーを使わずに冷却する方法(パッシブクーリング)もあります。
また、敷地内や家周辺で打ち水をすることも、涼しい環境を作ることにつながります。打ち水を行う場合、まいた水がすぐに温められて蒸発してしまう昼間の時間よりも、朝や夕方などに行う方がおすすめです。

▼熱中症の予防・対策はこちら
https://www.netsuzero.jp/learning/le02

エアコンとサーキュレーターを併用したり、室内でも冷却グッズを活用したりすることが、節電をしながら快適な環境を作ることにつながります。節電は二酸化炭素排出削減につながり、気候変動の緩和策としても有効です。
▼気候変動と熱中症対策
https://www.netsuzero.jp/climate-change

しかし、節電を意識しすぎて、熱中症になってしまうことのないよう、日頃から暑さに負けない体づくりを行うとともに、自分が今いる環境の把握、節電しながら行う熱中症対策を知っておきましょう。熱中症の症状や応急処置を知ることも大切です。
▼熱中症の症状
https://www.netsuzero.jp/learning/le01
▼応急処置のポイント
https://www.netsuzero.jp/learning/le03